PS3で多く見られる故障のひとつがYLODです。
起動時や起動中に「ピピピ」というエラー音が鳴り、
そのまま強制的にシャットダウンしてしまいます。
症状の現れ方には個体差があり、
ゲーム中に突然発生する場合や、
何度か電源を入れ直すことで一時的に起動するケースも確認されています。
今回は初期型であるCECHB00にて、
電源を入れてから約10秒ほどで電源が落ちてしまう症状とのことで、
修理のご依頼をいただきました。
お預かり時の状態とYLOD発生原因の特定
当社ではYLOD修理の際、
電源が入らない原因を特定するため、
基板のエラー情報を確認したうえで作業を行っています。





起動できない原因について
PS3とパソコンを接続し、
基板のエラー情報を確認しながら点検を行ったところ、
主要チップに使用されているプロードライザと呼ばれるコンデンサの一種に劣化が見られました。
この劣化が影響し、起動できない状態になっていました。



修理内容
原因を特定できたため、修理を実施しました。
今回は、GPU(RSX)側に実装されているプロードライザ4枚のうち、
1枚をセラミックコンデンサおよびPOSCAPコンデンサへ置き換えています。


お客様より、「YLODの予防としてプロードライザをすべて交換してほしい」
とご相談をいただくことがあります。
すべてを置き換えること自体は可能ですが、
プロードライザは電源のノイズを抑え、動作を安定させる役割を担っている部品です。
そのため、すべてを別の部品へ置き換えることで、
構成によっては、かえって動作が不安定になる可能性があります。
また、YLODの発生原因はプロードライザやハンダクラックだけではありません。
基板上の電子部品が一つ故障するだけでも、YLODが発生するケースがあります。
以上の理由から、
プロードライザをすべて交換することがYLODの予防につながるとは考えにくいため、
当社ではこのような予防目的での修理は行っておりません。
CMOSバッテリーおよび熱伝導グリスの交換
今回、YLOD修理のほかに、
内蔵電池の交換と内部清掃、熱伝導グリスの塗り替え
もご依頼いただいておりましたので、組み立て時にあわせて行いました。



スポット溶接で固定します。

動作点検
プロードライザの交換を行っていますが、
YLOD症状が改善していない可能性も考えられるため、
最小構成の部品で組み立て、動作点検を行います。



まとめ
今回のYLOD症状は、メイン基板上のコンデンサの劣化が原因となり発生していました。
エラー情報を確認したうえで点検を行い、該当箇所を特定したうえで修理を実施しています。
YLODは発生原因が一つに限られず、
基板上の電子部品や構成部品の状態によって、症状の出方や修理可否が異なります。
そのため、外見や症状だけで修理内容を判断することはできず、
エラー内容によっては対応が難しいケースもあります。
当社では、YLOD修理のほかにも、
ディスクの読み込み不良や内部清掃のみといったご依頼にも対応しております。
CECHB00の不具合でお困りの際は、一度ご相談ください。

