ゲームボーイアドバンスSPの画面表面に薄っすらとカビのような汚れが発生しており、
気になるため画面交換を行ってほしいとのことで、
ゲームボーイアドバンスSPの修理をご依頼いただきました。
液晶画面にカビが出る原因は?

一見、カビのように見える画面の黒いシミですが、
実際にはカビではなく、液晶表面に貼られている偏光フィルムの劣化によって発生します。
この偏光フィルムは、長年の使用や湿気、紫外線などの影響で徐々に劣化していき、
画面表面に黒いシミやムラが発生することがあります。
劣化が進行すると、画面全体が黒く変色し、
液晶が見えづらくなることでゲームプレイに支障が出るケースもあります。
対策方法や改善方法はある?
この黒いシミは、先述の通り
液晶表面の偏光フィルムの劣化によって発生するため、
完全に防ぐことはできません。
使用を続けるうえで、劣化は進行します。


このカビのような黒いシミを改善するためには、
液晶交換、または液晶の修理を行います。
GBASPの液晶単体は販売されているケースがありますが、
多くは状態の良い中古液晶や、純正液晶を修理した再生品となっており、
新品液晶は入手が難しい状態です。
そのため、現実的な改善方法としては、
偏光フィルムを交換して液晶を修理する方法、
または見やすさや明るさが向上したIPS液晶へ交換する方法となります。
ただし、IPS液晶への交換にはデメリットもあります。
詳細については、以下のページをご参照ください。

ゲームボーイアドバンスSPの偏光フィルム交換
今回は、ゲームボーイアドバンスSPに発生した
液晶画面の黒いシミを改善するため、
偏光フィルム交換を行った修理事例を紹介します。



劣化した偏光フィルムを剥がす
GBASPを分解して液晶を取り外し、
さらに液晶を分解して、劣化した偏光フィルムを剥がします。


右側の液晶表面の偏光フィルムを交換します。

バックライト点灯時に傷が目立つようになってしまうため、
保護を行ってから作業を進めます。

液晶表面の偏光フィルムを剥がします。


その下の接着剤も剥がします。


これを数回繰り返します。

少しでも残っていると、
新しい偏光フィルムを貼った際に目立つため、
徹底的に除去します。
新しい偏光フィルムを貼り付ける
透過率や反射率が適切ではない偏光フィルムを使用すると、
液晶が正常に表示されなくなります。
よくあるケースでは、
汎用の偏光フィルムを使用した結果、
色が反転する、カラー表示にならない、白っぽく表示されるといった症状が発生します。
※カラー表示にならない事が一番多いです。
そのため、GBASP専用の偏光フィルムを使用する必要があります。
また、GBASPは前期型と後期型で使用されている液晶が異なります。
偏光フィルムの劣化が多くみられるのは前期型であり、
前期型に対応した偏光フィルムを貼り付ける必要があります。

見え方を確認したうえで偏光フィルムを貼り付けます。

洗剤を使用してホコリやゴミの混入を防ぎながら、
水貼りで偏光フィルムを貼り付けます。

組み立てと動作確認
偏光フィルム交換後は、
本体を組み立てて動作確認を行います。


導光板部分に汚れが付着していたため、
再度分解して清掃を行いました。
恐らく、偏光フィルム貼り付け時に使用した洗剤が
付着したものと思われます。

ゲームボーイのゲームを起動した際の黒い画面は、
傷や汚れが最も見えやすい状態となります。

まとめ
今回お預かりしたGBASPの画面に発生していた
カビのような黒いシミは、液晶表面の偏光フィルムの劣化が原因でした。
改善方法としては、
偏光フィルム交換による修理のほか、IPS液晶への交換も選択肢となります。
前期型GBASPの液晶は、
画面手前から光を当てるフロントライト方式ですが、
IPS液晶は液晶内部から発光するバックライト方式となっており、
見え方が大きく異なります。
ただし、IPS液晶への交換にはデメリットもあります。
修理料金やメリット・デメリットについては、
以下のページに記載しておりますので、あわせてご参照ください。

