PS3(CECHA00)がゲームディスクを読み込めなくなったため、
オークションサイトにてドライブ一式を購入し入れ替えたものの、
すべてのディスクを読み込めなくなってしまったとのことでご相談をいただきました。
オークションの説明文には「正常に読み込み可能」と記載されていたとのことです。
また、CECHH00のドライブの方が読み込み不良が発生しにくいため、
このドライブを使用できるようにしてほしいとのことで、修理をご依頼いただきました。
PS3はドライブ一式を入れ替えるとディスクを一切読み込めなくなる
PS3では、ドライブ一式をそのまま入れ替えると、ディスクを一切読み込めなくなります。
PS3のうち、ドライブに基板が搭載されている
CECHA00、CECHB00、CECHH00、CECHL00、CECHQ00、CECH-2000Aなどのモデルでは、
ドライブ基板とメイン基板が紐づけされており、紐づけが一致していない場合は各ディスクを読み込めません。
もう少しかみ砕いて説明すると、
ディスクを挿入した際に、取り込みや回転、読み込み開始の動作は行われますが、
XMB(PS3のホーム画面)上にはディスクのアイコンが表示されず、起動できなくなります。
また、読み込み中の状態を示す、画面右上の時計のようなマークも動作しません。

ドライブを入れ替える際の注意点
以上のことから、
ドライブ一式を購入して入れ替える場合は、ドライブ基板が紐づけされている同一の基板へ交換する必要があります。
ディスクの読み込みができない場合は、
ドライブ一式を購入し、そのドライブに搭載されている基板を入れ替えるといった作業が必要となります。
一方で、2000シリーズ以降のうち、
ドライブに基板が搭載されていないモデルについては、ドライブ一式を入れ替えてもディスクの読み込みが可能です。

ドライブ基板が故障している場合はどうしたらいい?
ドライブ基板が物理的に破損している場合や、
ディスクを取り込めない、モーター類を交換しても改善しない、ディスクを読み込めるもののエラーが出て起動できない
といった場合は、ドライブ基板の交換が必要となります。
ディスクを取り込めない場合は、ドライブ基板上の電子部品の交換で改善するケースもありますが、
分解時に誤って破損させてしまったといったヒューマンエラーや、
ディスク起動時にエラーが発生するなど、チップ類や認証に関連する不具合である場合は、
ドライブ基板の交換が必要となります。
しかし、先述の通りPS3では
ドライブ基板とメイン基板が紐づけされており、同一の基板でなければディスクを起動できない仕様となっています。
そのため、新しいドライブ基板を取り付けて使用する場合は、
リマリー(ドライブ再ペアリング/再認証)を行う必要があります。
改造や修理の分野では、この作業を「再婚」と呼ぶこともあります。
CECHA00のBDドライブをCECHH00のドライブへ交換する
前置きが長くなりましたが、
今回のご依頼内容である、CECHA00のBDドライブをCECHH00のドライブへ入れ替えていきます。
今回は元のドライブ基板へ交換していただいた状態で、移植先となるCECHH00のドライブも同梱していただきました。

PS2規格ディスクのみ読み込めない状態でした。
A00で多く使用されているドライブは、ディスクは
真っ直ぐに取り込まれます。

元のドライブ基板の情報を保存する
ドライブの再認証(リマリー)を行うためには、
元のドライブ基板に記録されている情報を保存する必要があります。
そのため、専用の環境を用いて元のドライブ基板の情報を取得します。
完全にドライブ基板が破損している場合は、この方法は使用できません。



CECHH00のドライブと入れ替える
次に、今回移植するCECHH00のドライブを取り付け、再認証を行います。




右がH00のBDドライブ。
ソニーの修理歴により、
A00でもH00のドライブが使用されていることがあります。


動作点検を行う
再認証後は、正常に読み取りが行われるかを点検し、問題がなければ組み立てて作業完了となります。


CECHA00・CECHH00のBDドライブについて
CECHA00とCECHH00のドライブは、構造や使用されているピックアップレンズが異なります。
CECHA00であっても、ソニーでの修理歴がある場合は、CECHH00のドライブへ交換されていることがあります。
フリマサイトなどの出品者へのコメントで、
「ディスクを入れた際に回転して取り込まれますか?」といった質問を見かけることがありますが、
これはソニーで修理されているかどうかを確認するための質問だと思われます。
ソニーで修理された場合、
CECHH00のドライブへ交換されていることがあり、
その際にメイン基板も故障しにくいものへ交換されている可能性があります。
ディスクを挿入した際、
まっすぐに吸い込まれる場合は修理歴がなく、元々のCECHA00のドライブです。
一方で、少し回転しながら吸い込まれる場合は、CECHH00のドライブへ交換されています。
故障しづらさについて
CECHA00で使用されているピックアップレンズは故障しやすい傾向があり、
2026年現在では正常に機能するレンズも少なくなり、価格も高騰しています。
また、新品として販売されているものでも、
DVDが読み込めないなど、一部のディスクを認識しない粗悪品が多く出回っており、
正常に機能するレンズを入手することが難しくなってきています。
一方で、
CECHH00に使用されているピックアップレンズは読み込み速度も比較的速く、
CECHA00のレンズと比べて読み込み不良が発生しにくい印象があります。
また、現在も比較的入手しやすいことから、CECHH00のドライブの方が扱いやすいと感じています。
※CECHH00であっても、初期型のH00ではCECHA00と同様のピックアップレンズが使用されていることがあります。
CECHH00のドライブへと交換するデメリット
メリットだけがあるように思える、
CECHA00のドライブをCECHH00のドライブへ交換する今回の内容ですが、デメリットもあります。
まず、再認証を行う場合には、CFWを導入する必要があるという点です。
作業後は元の状態へ戻しますが、非公式の環境を使用するため、グレーゾーンであることには変わりありません。
また、CECHH00のドライブへ交換した場合は、CECHA00やCECHB00の特徴でもあるSACDが使用できなくなります。
PS2規格ディスクやCD、PSゲームソフトはプレイ可能ですが、SACDは読み込めなくなります。
BDドライブの交換や、ディスク読み込み不良でお困りの方へ
今回はCECHH00のドライブへの交換作業を紹介しましたが、
CECHA00のピックアップレンズ交換や、ディスク取り込み不良などの修理も行っております。
純正構成を崩さない修理をご希望の場合は、その方針を尊重して作業を行っております。
当社としても、カスタマイズより純正構成を維持する方針で修理を行っておりますので、
PS3の故障でお困りの際は一度お問い合わせください。

