ゲームディスクの読み込みが遅く、読み込めないことが多かったため、
お客様ご自身でピックアップレンズの出力調整を行った結果、
ゲームディスク裏面に円傷が付くようになったとのことで、PS2 SCPH-90000の修理をご依頼いただきました。
ディスク裏面に円型の傷が付く原因は?
PS2のスリム型において、
ゲームディスク裏面に円形の傷が付いてしまう不具合は多く発生します。
ゲームディスクを読み込む際には、ピックアップレンズが前後に移動しながら動作します。
この際に、
ピックアップレンズと基板を接続しているフレキシブルケーブルがディスクへ接触することで、
ディスク裏面に円形の傷が付いてしまいます。
フレキシブルケーブルが劣化すると浮き上がりが発生し、
浮いた部分がディスクと接触することで傷が付くようになります。
…というのが、
一般的によく知られているPS2の円傷トラブルの原因です。
しかし、
一般的な円傷では薄い線傷程度で済むことが多い一方で、
爪でなぞると引っ掛かりを感じるほど深い傷が付いてしまうケースがあります。

本体を分解しなくても、
ディスクトレイを開くことで確認できる構造となっています。


ディスク裏面に深い傷が付く場合
ディスク裏面に、
爪でなぞると引っ掛かるような深い傷が付く場合は、
フレキシブルケーブルとディスクの接触ではなく、
ピックアップレンズのレンズ面がディスクへ接触している可能性があります。
これは、
ピックアップレンズが故障した際や、
劣化によりディスクを認識しづらくなった際に、
無理に読み込ませようとしてレンズ位置を調整した結果、
回転しているディスクと接触することで発生します。
また、
ピックアップレンズの出力調整時の組み付け不良や、
ドライブユニットの取り付けズレ、
本体外装のゆがみ、
ディスクを回転させるローラーのズレなどによっても発生します。

円傷の対策方法
フレキシブルケーブルの反りにより、
ディスクと接触している場合は、
フレキシブルケーブルを交換することで改善します。
他のウェブサイトや解説動画では、
ピックアップレンズへ爪楊枝などの細い棒や、平たい樹脂パーツ(パンの袋を挟むやつ)を差し込み、
物理的にケーブルが浮き上がらないよう固定する方法や、
浮いている部分を指で押さえつける方法などが紹介されています。
しかし、ピックアップレンズはゲームプレイ中、
常に前後へ移動している状態のため、細い棒などで固定した場合、
使用中に外れてしまう可能性があります。
また、異物が内部へ入り込むことで、
ピックアップレンズやドライブユニットそのものを破損させてしまう恐れもあります。
一方で、浮いている部分を押さえつける方法についても、
一時的な改善に留まることが多く、時間の経過とともに再び浮き上がってしまうケースがあります。
そのため、
当社ではフレキシブルケーブルを交換する方法が、もっとも確実な対策であると考えています。

点検を行った結果、ピックアップレンズの故障により、
ゲームディスク裏面に接触している状態でした。

先にフレキシブルケーブルの交換を行います。

新しいフレキシブルケーブルへ交換します。

深い傷が入る場合の対策方法
冒頭でも解説したとおり、
スリム型PS2において、ディスク裏面へ円形の傷が付く原因は、
フレキシブルケーブルの反りだけではありません。
ピックアップレンズそのものが故障し、
回転しているディスクと接触することで、深い傷が付いてしまうケースがあります。
この場合は、フレキシブルケーブルを交換しても改善しないため、
ピックアップレンズの交換や、ドライブユニットのズレ、
本体のゆがみなど、根本的な原因を修正する必要があります。




実際にディスクを回転させながら、
接触している部分がないか点検を行いました。

今回お預かりしたSCPH-90000のディスク裏面に傷が付く原因について
本記事では、
スリム型PS2において、
ディスク裏面へ円形の傷が入ってしまう不具合の原因と対策方法を解説しつつ、
修理をご依頼いただいたPS2の修理時の様子を交えて記事にしました。
今回お預かりしたPS2では、
ピックアップレンズの出力調整後から症状が悪化し、
ピックアップレンズそのものが故障したことで、
レンズ面とディスク裏面が接触し、深い円傷が発生していました。
そのため、予防修理も含め、
ピックアップレンズの交換、フレキシブルケーブルの交換、
ドライブユニットのメンテナンスを行いました。


CD規格OK

読み込みOK。

まとめ
PS2のピックアップレンズ出力調整は、比較的簡単に行うことが可能です。
しかし、本来の調整方法としては、
オシロスコープなどを使用し、適切な波形へ調整しながら読み込み不良の改善を行います。
また、ピックアップレンズそのものが劣化・故障している場合は、
出力調整を行っても改善しないケースが多く、
一時的に読み込みが回復したとしても、すぐに読再発することがあります。
長く使用したい場合は出力調整ではなく、ピックアップレンズの交換を推奨しています。
そのため、当社では基本的に出力調整は行わず、
基板側のコンデンサ交換や、ピックアップレンズの交換を行い、改善を試みています。
また、出力調整を誤った場合は、
ディスクと接触して円傷が付いてしまったり、ドライブユニットへ負荷がかかることで、
別の故障へ発展するケースもあるため注意が必要です。
当社では、PS2の読み込み不良修理や、
ディスク裏面へ発生する円形傷の対策も行っております。
PS2の故障でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

