本記事では、
厚型PS2であるSCPH-50000のゲームディスクが読み込めない原因や対処方法、
実際にご依頼いただいた修理事例を紹介します。
PS2のゲームディスクを読み込めない原因と対処方法
PS2には、数種類のシリーズが発売されており、
その中でも大きく分けると、分厚くて大きい厚型PS2と、薄く軽いスリム型PS2があります。
今回は、初期型と呼ばれている厚型PS2に焦点を当てた記事になります。

ピックアップレンズの故障
ディスクを読み込むための部品であるピックアップレンズの劣化や故障により、
ディスクを認識できない、またはPS2規格ディスクであるにも関わらず、
赤い画面で【PlayStation 2規格ディスクではありません】と表示されることがあります。
ピックアップレンズのレンズ面に付着したホコリや汚れが原因で、
ディスクの読み込み不良が発生しているケースも少なからずあります。
この場合は、市販されているレンズクリーナーを使用することで改善することもあります。
しかし、発売から年数が経過しているPS2では、
ピックアップレンズそのものが劣化・故障していることも多くあります。
レンズクリーナーはレンズ表面を清掃するための製品であり、
ピックアップレンズの性能そのものを復活させる効果はありません。
そのため、レンズクリーナーを使用しても改善しない場合は、
ピックアップレンズの交換や出力調整など、PS2を分解しての修理作業が必要となります。

ディスクドライブの故障
簡単に説明すると、ピックアップレンズはディスクを認識する部品です。
一方でディスクドライブは、ディスクを取り込み、回転させ、ピックアップレンズを適切な位置へ移動させる部品です。
このディスクドライブが故障すると、ディスクを読み込めない不具合が発生することがあります。
主に、ディスクを取り込んでも回転している様子がない場合や、
異音が発生してディスクを読み込めないといった症状が発生することが多い印象です。
また、ドライブ基板の故障により、
ピックアップレンズは正常であるにも関わらず、ディスクを読み込めないといった症状が発生することもあります。


メイン基板の故障
ディスクの読み込み不良と聞くと、
ある程度の知識がある方は「ピックアップレンズの故障かもしれない」と考えることが多いと思います。
しかし、PS2ではメイン基板の故障により読み込み不良が発生しているケースも意外と多くあります。
よくある事例としては、
メイン基板の故障によりピックアップレンズが正常に動作しなくなる症状です。
また、実際に故障する瞬間を確認したわけではないため確証はありませんが、
基板の故障によってピックアップレンズまでも故障してしまうことがあります。
そのため、基板故障による読み込み不良の場合は、
メイン基板の修理だけでなく、ピックアップレンズも同時に交換するケースが多くあります。

電源基板などの故障
厚型タイプのPS2は、
ディスクドライブや電源基板、メイン基板など複数の基板や部品で構成されています。
そのため、ピックアップレンズやディスクドライブに問題がなくても、
電源基板などの故障により読み込み不良が発生している場合があります。
稀な例ではありますが、電源基板の故障により、
本体が起動するための電力は供給できているものの、
ディスクの読み込みに必要な電力を正常に供給できていないケースです。
ただし、電源基板が故障した場合は、
ディスク読み込み不良として症状が現れる前に、
電源が入らなくなる症状が先に発生することが多いため、実際にはあまり多くない原因の一つです。
自分で修理できる? 読み込み不良の修理方法
次に、修理方法や、修理は簡単かについて説明します。
ディスクを読み込みできない原因の一つである、
ピックアップレンズの故障やレンズ面の汚れであれば、
修理経験がない方でもDIYで修理することは可能と考えられます。
特にレンズ面の汚れが原因であれば、
レンズクリーナーを使用することで改善することもあり、
ゲームディスクを読み込ませるのと同じようにクリーナーをトレイにセットして読み込みを行うだけで、
レンズ面の清掃・研磨は完了します。
分解する必要がないため、誰でも簡単に試せる修理方法の一つです。
一方で、ピックアップレンズの交換を行うには、
ドライバー等の分解工具が必要なことはもちろんですが、
現在では動画やウェブサイトで分解方法、修理方法が解説されているため、
誰でも簡単にとまではいきませんが、ある程度の修理スキルがあれば交換は可能と思われます。
少し待って。 自分で修理すると起こること
当社に修理をご依頼いただく中で、
・自分でピックアップレンズを交換したが、改善に至らなかった。
・分解途中で他の部分が破損してしまった。
・症状が悪化した。
といった理由でPS2をお預かりすることがあります。
原因として記載したように、PS2の読み込み不良はピックアップレンズの故障だけでなく、様々な要因で発生します。
特に、基板の故障とピックアップレンズの故障といった、
複数の故障により読み込み不良が発生しているケースでは、修理難易度が上がる傾向にあります。
また、厚型PS2ではディスクドライブ内にピックアップレンズの角度を調整する機構が設けられており、
ピックアップレンズを交換した場合は適切な角度に調整する必要があります。
さらに、基板のコンデンサなどの劣化具合によっても影響するため、
スリム型PS2と比べ、厚型PS2の読み込み不良修理は難しく、多くの修理を行っている私でも難易度が高いと感じます。
自分で修理を行って、もし壊れてしまったらスリム型PS2を買い直そうと考えているのであれば、
当社にも多くの事例記事を投稿しているため、ぜひそちらを参考にトライしてみてください。
一方で、レトロ感があり、どこか懐かしい気持ちになる厚型PS2を今後も長く使いたい。メンテナンスも行ってほしい。
といった場合は、一度当社に修理をご相談ください。


今回お預かりしたSCPH-50000の修理内容
ゲームディスクを読み込めない。
本体の清掃とメンテナンスも行ってほしい。
というご依頼で、PS2のSCPH-50000をお預かりしました。


ゲームディスクの読み込み不良修理
ディスクを読み込めない原因は様々ですが、
まずは故障していることが多く、比較的簡単に確認できるピックアップレンズを交換して、
読み込み不良が改善するかを確認します。
ピックアップレンズを交換しても改善しない場合は、
基板やドライブの点検を行い、原因を特定します。

左側の黒い部品がディスクドライブ。


ディスクトレイを引き出します。


下が古いピックアップレンズ。
種類が異なりますが、使用可能です。

動作確認を行います。

ディスクを読み込めなかった原因は、
ピックアップレンズの故障でした。

正常に読み込めることを確認できたため、読み込み不良の修理は完了です。

清掃とメンテンナンス


外装には汚れが目立っていましたが、
内部はそれほど汚れていませんでした。




組み立てと動作確認


PS2の修理をご検討中の方へ
今回は、PS2に発生するゲームディスクを読み込めない症状について、実際の修理事例を交えて解説しました。
すべての部品を新品に交換することは可能ですが、修理費用が高額となるため現実的ではありません。
そのため、当社では故障している主な原因を修理し、
あわせて予防を目的としたメンテナンスを行うことで、PS2の読み込み不良修理を行っています。
ただし、修理を行ったからといって新品に近い状態まで戻るのかと言われると、実際はそうではありません。
修理を行った部分とは異なる部品が故障することで、ディスク読み込み不良が再発することもあります。
しかし、中古品を買い直した場合に故障リスクがないのかと言われると、それもまた違うと私は考えています。
ゲーム機が壊れた際に、
修理を行うべきか、それとも買い直すべきかについてまとめた記事があるため、こちらもぜひお読みください。

