PS3 CECHA00 映像が乱れる・フリーズする故障の修理事例

PS3の初期型であるCECHA00にて、
起動はするものの映像が出力されない状態で、
何度か起動を繰り返すと映像は出るが、乱れて表示されるとのことで修理をご依頼いただきました。

目次

映像が乱れる原因とお預かりしたPS3の動作確認

PS3において映像が乱れる原因は、GPUであるRSXの故障であるケースが多く見られます。
HDMI接続、または純正ケーブル(コンポーネントケーブル)接続のどちらでも同様に映像が乱れる、
フリーズするといった場合は、RSXの故障が疑われます。

一方で、HDMI接続時のみ発生する、
純正ケーブル接続時のみ発生するといった特定の条件で症状が出る場合は、
映像出力を担うチップや関連する電子部品、ケーブル差込口のポート故障などが原因として考えられます。

映像が出力されないCECHA00本体の写真
今回お預かりしたCECHA00。
PS3と接続中のモニター画面
正常に起動するものの、
映像が出力されない状態でした。
CECHA00と接続しているモニター画面 ノイズが走った画面
何度か起動を繰り返すことで映像は出力されましたが、画面全体にノイズが入る状態でした。

なお、本体はHDDが取り外された状態でお預かりしています。
動作確認に制限が出るため、可能であればHDDは取り付けた状態でご依頼ください。
CECHA00と接続しているモニター画面 ノイズが走った画面
少し操作するとフリーズしました。

原因を調べる

今回お預かりしたPS3では、HDMI接続およびコンポーネント接続のいずれでも映像が出力されない状態でした。
何度か起動を繰り返すことで映像は出るものの、
表示が乱れる、またはフリーズする症状が確認されました。

これらの症状から、
RSXの故障である可能性が高く、メイン基板側の不具合が疑われるため、基板の点検を行いました。

CECHA00の内部の写真
原因を調べます。

RSXが故障している可能性が高い状態ですが、
ディスクドライブなどPS3を構成する各部品の故障によってもフリーズが発生することがあるため、点検を行いながら分解していきます。
CECHA00のシールドプレートと基板の写真
基板以外の部品に問題は見られなかったため、
基板を取り外し、エラー情報の読み取りを行います。
CECHA00のメイン基板の写真
こちこちらがCECHA00のメイン基板です。
パソコンと接続し、エラー情報を読み取ります。

映像が出力されない原因と修理内容

PS3のメイン基板とパソコンを接続し、
エラー情報を読み取った結果、RSXの故障により映像が乱れる、または出力されない状態であると判断しました。

判断の理由として、
通常であれば本体起動後に電源ボタンを長押しすると、
約3秒で「ピッ」という音とともに緑ランプが点滅し、シャットダウンされます。
しかし今回の本体では、
電源ボタンを長押ししても反応までに10秒前後かかり、
緑ランプの点滅もなくそのまま電源が切れる症状が確認されました。

このような挙動はRSX故障時に見られる典型的な症状であるため、RSXの不具合と判断しました。

CECHA00のメイン基板を専用プレートに固定した時の写真
基板が変形しないように専用のプレートに固定します。

基板を温める

PS3の基板に実装されているGPUやCPUは、
デスクトップパソコンのように簡単に交換できるものではなく、
基板を加熱してハンダを溶かし、取り外しと取り付けを行う必要があります。

この作業時には、基板の状態や作業環境の湿気の影響により、基板内部の回路が破損するリスクがあります。
そのため、作業前に基板を温める「ベーキング」を行い、基板内の水分を飛ばします。

CECHA00のメイン基板をベーキング加熱している時の写真
ベーキング中。
この状態で数時間加熱を行います。

RSXを基板から取り外す

ベーキングを数時間行った後、基板加熱用の機械を使用してRSXを取り外します。

CECHA00のメイン基板をBGAリワークステーションに設置したときの写真
BGAリワークステーションにメイン基板をセットします。
CECHA00のメイン基板とヒータの位置合わせ時の写真
ヒーターの位置をRSXに合わせます。
CECHA00のRSX取り外し時の写真
加熱スタート。

約13分間はプリヒート(基板が変形しないようにゆっくり加熱)
を行うため、その間は別の作業を行います。

その後の約5分間は基板の状態を確認しながら、
ハンダが溶けたタイミングでRSXを取り外します。
CECHA00のRSX取り外し後の写真
RSXを取り外し後。
CECHA00のRSXの写真
こちらが取り外したRSXです。

今回はRSXそのものに原因がある(可能性が高い)ため、
リボール(再はんだ)は行わず、交換します。

RSXを取り付ける

基板に残ったハンダを除去し、清掃を行った後に新しいRSXを取り付けます。

CECHA00のRSX取り外し後のメイン基板に残ったハンダを除去時の写真
基板に残ったハンダを除去します。
CECHA00のRSX取り外し後のメイン基板に残ったハンダを除去時の写真
除去後。
CECHA00のRSX取り外し後のメイン基板に残ったハンダを除去時の写真
清掃します。
CECHA00のRSX取り外し後のメイン基板に残ったハンダを除去後の写真
清掃後。
CECHA00のRSXにハンダを乗せている時の写真
新しいRSXにハンダを乗せて、
基板に取り付ける前の下準備を行います。
CECHA00のRSXにハンダを乗せた後の写真
基板にRSXを取り付けます。
CECHA00のメイン基板にRSXを取り付けている時の写真
BGAリワークステーションに再度基板をセットし、加熱を開始します。
CECHA00のメイン基板にRSXを取り付けている時の写真
加熱中…。
CECHA00のメイン基板にRSXを取り付けている時の写真
ハンダが溶けて、基板と接続されました。
CECHA00のメイン基板にRSXを取り付け後の写真
取り付け完了。
周辺の電子部品の状態を確認して、動作確認を行います。

動作点検を行う

先述の通り、RSXの交換は簡単な作業ではなく、
取り付け時に基板が破損、変形したり、
加熱の影響で周辺の電子部品が破損・脱落・位置ずれを起こすことがあります。

そのため、最小構成の状態でPS3を起動させて動作点検を行い、必要に応じて再修理を繰り返します。

CECHA00のメイン基板にRSXを取り付け後の基板清掃時の写真
清掃して組み立てます。
RSX交換後の動作確認の写真
起動させます。
RSX交換後の動作確認の写真
電源は入りました。

基板が故障している場合は、
電源が入らない、またはYLOD(電源が入らない故障)が発生します。
RSX交換後の動作確認の写真
組み立てて、正常に映像が出力されるかを確認します。
RSX交換後の動作確認の写真
中古のHDDを取り付けて動作確認を行います。

無事、映像が出力されるようになり、ノイズも解消されました。
この状態でゲームを起動し、長時間の動作確認を行います。

さいごに

今回の映像が乱れる、表示されない原因は、メイン基板上に実装されているRSXの故障により発生していました。
RSXを交換することで、正常に映像が出力される状態まで改善しています。

ただし、RSXの交換は基板への負担が大きい作業であり、すべてのケースで修理できるわけではありません。
基板の状態や劣化の進行具合によっては、作業中に破損するリスクや、修理が成立しないケースもあります。

PS3の映像が乱れる、映らない、フリーズするといった症状でお困りの場合は、
症状の内容を添えてご相談ください。
状態を確認したうえで、お見積りをご案内いたします。

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