PS2 SCPH-90000 ディスクに線傷が付く|ムービー中にブラックアウトする症状

正常に起動し、ゲームディスクの認識や起動は可能なものの、
ディスク裏面に線傷が付いてしまい、PlayStation用ゲームディスクを使用した際に、
ムービーシーンなどで画面が真っ暗になってしまう不具合が発生しているPS2 SCPH-90000をお預かりしました。

目次

ディスク裏面に傷がついてしまう原因

Playstationゲームディスクの裏面。
フレキシブルケーブルの接触により傷が入っている写真
ディスク裏面に付いた傷。

スリム型PS2で多く見られる、ディスク裏面に円形の傷や線傷が付いてしまう不具合。

これは、ディスクを読み込むための部品であるピックアップレンズ
基板を接続しているフレキシブルケーブルが、回転中のディスク裏面に接触することで発生します。

ケーブルが接触している場合は、比較的浅い線傷となるケースが多く見られます。

一方で、
爪でなぞった際に引っ掛かりを感じるほど深い傷が発生している場合、
ケーブル接触以外の原因が考えられます。

こちらについては、以下のページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

なぜフレキシブルケーブルがディスクと接触する?

スリム型PS2は、本体を薄型・軽量化するために、
ディスクの読み込みや回転を行うディスクドライブ部分も非常に薄く設計されています。

その構造上、
回転しているディスクの直下には、ピックアップレンズフレキシブルケーブル基板などが配置されています。

このうち、
ピックアップレンズと基板を接続しているフレキシブルケーブルは、
折り曲げた状態で固定されており、折り返し部分が経年劣化や熱の影響によって浮き上がってしまうことがあります。

その結果、回転中のディスク裏面と接触し、線傷や円傷が発生します。

SCPH-90000のピックアップレンズ用フレキシブルケーブルの浮き、劣化を示した画像
印の部分が、経年劣化により浮き上がることで、
回転しているディスクと接触してしまいます。

多くのゲーム機でも同様の構造ですが、
フレキシブルケーブルがディスクと接触しないよう、
厚型PS2やPS3などでは十分な奥行きが確保されています。
SCPH-90000のフレキシブルケーブルとゲームディスクがどう接触するのかを撮影した写真
スリム型PS2のディスクドライブを横側から撮影した写真。

少し分かりづらいですが、
印の部分にあるフレキシブルケーブルが浮き上がることで、
回転しているディスク裏面と接触します。

SCPH-90000のフレキシブルケーブルを交換

お預かりしたPS2 SCPH-90000の、ピックアップレンズ用フレキシブルケーブルを交換します。

SCPH-90000本体の写真
今回お預かりしたSCPH-90000です。
SCPH-90000の内部の写真
SCPH-90000の内部です。
左側の部品がピックアップレンズ。
SCPH-90000の劣化したフレキシブルケーブルとドライブの写真

分解時の様子
ドライブを裏返して、
ピックアップレンズと接続されているケーブルを外します。
SCPH-90000の劣化して浮き上がりが発生したフレキシブルケーブルの写真

交換前
こちらが、劣化して反りが発生しているフレキシブルケーブル。
SCPH-90000のフレキシブルケーブルの写真
古いケーブルと新しいケーブルの比較写真
新しいフレキシブルケーブルに交換します。

※下が新しいケーブル
SCPH-90000に新しいフレキシブルケーブルを取り付けた後の写真
交換後。
SCPH-90000のフレキシブルケーブル交換後の写真
ドライブを元に戻して交換完了です。
SCPH-90000のフレキシブルケーブル交換後の写真
フレキシブルケーブルの浮き上がりが無くなりました。

…とはいえ、構造上、多少は浮いています。

動作確認と組み立て

フレキシブルケーブル交換後は、
分解した状態のまま本体を起動させ、ディスクをセットして読み込み確認を行います。

この際、本体を横側から目視し、
フレキシブルケーブルが回転中のディスクと接触していないかを確認します。

SCPH-90000のフレキシブルケーブル交換後の動作確認時の写真
動作確認を行います。
SCPH-90000のコイン電池交換時の写真
内蔵電池の交換もご依頼いただいていたので、交換しました。
SCPH-90000の修理後の完成写真
修理完了!

特定のディスクにて、ムービーシーン中に画面が暗転してしまう症状について

今回、ご依頼いただいた内容として、
PlayStation(PS1)のゲームディスクをプレイ中に、
特定のムービーシーンにて画面が暗転してしまい、進行できなくなるという不具合の修理もご依頼いただいておりました。

こちらは、お客様より症状が発生するディスクをお預かりし点検を行ったところ、
フレキシブルケーブルとの接触により発生したディスク裏面の傷が原因で、症状が発生していると判断しました。

そのため、フレキシブルケーブル交換後も、
既に付いてしまったディスク側の傷は改善できないため、お客様にはディスク交換をご案内しました。

このように、フレキシブルケーブルの劣化によりディスク裏面へ傷が入ってしまうと、
ゲームディスク側にも影響が出るケースがあります。

そのため、今まで交換したことがないPS2や、
少しだけ傷が付いてしまう場合は、早めの交換がおすすめです。

ディスクに傷。どこまでなら問題ない?

フレキシブルケーブル接触のほかにも、
ゲームパッケージからディスクを取り出す、戻す、ゲーム機へセットするといった過程で、
ゲームディスクには少なからず傷が付いてしまうものです。

当社では、読み込み不良修理時に、
お客様より症状が発生するゲームディスクを同梱いただくことが多々ありますが、
その中には、小傷が多数入ったものや、指紋が多く付着しているもの、汚れがひどいものまであります。

また、PlayStationのゲームディスクは発売からかなりの年数が経過しているため、
傷が無い状態であっても、裏側の読み取り面が膜を張ったように劣化してしまうケースがあります。

このような状態のゲームディスクでも、意外と正常に読み込みできることがあります。

最後に蛇足にはなりますが、ディスクの傷について簡単に解説します。

PS2ゲームソフト DVD規格ディスク

裏面がシルバーやゴールドのPlayStation 2ゲームディスクは、DVD規格のディスクです。

DVD規格のディスクは、
記録層がディスク表面より深い位置に配置されているため、
表面に多少の傷が付いていても、レーザーが記録層まで届きやすい構造になっています。

また、DVDディスクは、
記録層が2枚のポリカーボネート層に挟まれている構造となっており、
浅い傷であれば記録層まで到達しにくい特徴があります。

そのため、浅い線傷や細かな擦り傷程度であれば、意外にも正常に読み込みできるケースが多い印象です。

PS、PS2のゲームソフト CD規格ディスク

PlayStationのゲームディスクや、
裏面がブルーのPlayStation 2ゲームディスクは、CD規格のディスクです。

CD規格のディスクは、
DVD規格と比較して記録層がディスク表面に近い位置にあるため、
傷や研磨の影響を受けやすい構造となっています。

そのため、細かな線傷や拭き傷でも読み込み不良が発生することがあり、
ディスク研磨を行うことで、逆に読み込みできなくなってしまうケースもあります。

私自身、過去に傷を消そうとしてディスク研磨を行ったところ、
それまで読み込みできていたディスクが、一切読み込みできなくなってしまった経験があります。

そのため、本記事で修理事例として紹介した、
PlayStationゲームディスクにてムービーシーン中にブラックアウトしてしまう症状についても、
ディスク裏面へ付いてしまったフレキシブルケーブルの傷が原因であると判断しました。

以上!
当社でも、フレキシブルケーブルの交換や、メンテンナンスを行っておりますので、
ぜひ一度ご相談ください。

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